こんにちはオガブログです。
某日系商社(専門商社)に勤務しています。いわゆる現役商社マンですね(笑)
『商社』って、
聞いたことあるけどイマイチ何をしているか分らない。 という方は結構いると思います。
そんな方に分かりやすく、少し詳しく解説したいと思います。
商社への就職、転職を検討の方は参考にして頂ければ幸いです。
商社って何?
『商社』って何をしている会社なの?
商社(しょうしゃ)とは、輸出入貿易ならびに国内における物資の販売を業務の中心にした、商業を営む業態の会社である。幅広い商品・サービスを取り扱う総合商社と特定の分野に特化した専門商社に区分される。広義の卸売業である。特に総合商社は日本特有の形態とされ、海外においても「Sogo shosha」と呼ばれる。「商社」という言葉は、幕末期の幕臣小栗忠順が英語の「company」から訳したともいわれている。
wikipedia-商社より引用
wikipediaで「商社」と検索するとこの様に出てきます。
ものすごく簡単に説明すると、
モノ・サービスを仕入れて、欲しい人に売る会社。
です。
日本最初の商社は、坂本龍馬が所属した「亀山社中・海援隊」だそうで、
海外から銃器を仕入れて、長州藩に卸していたそうです。
「仕入れて、売る。」このビジネスが商社の源流ですね。
現代の商社もこんな感じの仕組みで儲けています。簡単ですが、図解しますね。
100円で仕入れたら、マージンを乗せて、120円で売る!
、、、、コレだけ??転売屋さん?って感じですよね。
しかし実際には、商社はモノを横流しするだけではなく様々な付加価値を作り出しでいます。
商社の存在価値は、商品に付ける+★の付加価値にあります。
その付加価値が利益(マージンや手数料)に繋がるのです。
また、基本的に商社のお客さん=企業となる事が多いです。
企業間取引(BtoB)となる事が多い業界ですね。
商社って必要なの?存在価値は?
商社の存在価値=★の付加価値の提供と言って過言ではありません。
企業同士が直接では無く、中間に商社を介してビジネスを行う。
このスキーム(仕組み)でやっと商社には利益が発生します。
「ビジネスを進める上で、自社の持っていないノウハウやサービスを提供して欲しい」
こんな期待に応える為に、商社は存在しています。
一般的には、
- ①仕入れ、販売
- ②貿易
- ③中間加工
- ④物流
- ⑤市場調査、事業企画、事業投資
この辺りが商社の仕事内容です。
それでは、分かりやすく解説していきたいと思います。
商社の仕事内容、ビジネスモデルとは?
「洋服を製造するメーカーがお客さんの場合」
をモデルケースとして、仕事内容・ビジネスモデル・付加価値について詳しく解説します。
<ビジネスの設定> お客さん:洋服を製造・販売するメーカーさん。 仕入れ先:繊維製造メーカー。
①仕入れ、販売
新製品発売するし、材料(生地)買いたいなぁ。
それも大量に必要やで!
品質も当然重要やな!
繊維メーカーに仕入れチャンネルあります。
大量に必要ですので、複数のメーカーから仕入れて、一括販売、納期・品質管理出来ますよ!
商社さん、ウチの商品をお客さんに売って貰って、感謝やわ!
★商社が生み出す付加価値
・窓口を商社に一本化する事で、複数の繊維メーカーとやり取りしなくて良い。 ・納期、品質管理も商社へ丸投げできる。 ・繊維メーカーにとっては、商社が代わりに営業・販売活動をしてくれる。
といった、付加価値を作ることが出来ます。このパターンは王道かと思います。
「繊維メーカー」に代わり、営業・販売活動を行うので、代理店業務と言ったりしますね。
「繊維メーカー」にとっては、「お客さん」が、
- 初めて取引する会社。お客さんの商売の仕方(支払方法、タイミング等)が不安。
- 海外の会社で契約業務が難航しそう。国際送金も不安が残る。
- お客さんの経営状態があまり良くなく、与信リスクあり。
といった場合、
双方の希望に応える為、「商社」が中間に入り円滑に商取引が進むように動いたりします。これも、商社が販売代理店として機能するパターンです。
②貿易
日本国内の材料やと、
コストも厳しいし、安く大量に買いたいなぁ。
海外から大量調達できますよ!日本製よりも安く供給できます。
現地法人もありますので、日本へ輸入する業務も全て纏めます!
為替変動のリスクもバッチリ対策しますよ!
日本のお客さん初めてやけど、
商社さんいてくれて安心や!
★商社が生み出す付加価値
・面倒な海外からの輸入業務を商社へ任せ、手間を省ける。 ・大量仕入れ、海外仕入れを駆使し、コストメリットを提供。 ・為替変動リスクも商社がカバーする。 ・国籍の違う企業取引をスムーズに行う。
輸出、輸入等の貿易ビジネスは商社が最も得意とする領域です。
海外からモノを輸出入する場合、相手国の色んな人と様々な調整を行う必要があります。
そこで商社は古くから海外に拠点を設けて、その国に合わせたビジネス上での商習慣・言語・ルール・人脈等のノウハウを蓄積しています。
③中間加工
日本での製造コストが上がってきたで。
人件費も高いし、、、。
ある程度加工した状態で、購入できへんかな?
インドから仕入れた材料を、まず中国の加工工場へ入れます。
そこで中間加工して、日本の御社の工場まで納めますね。
御社は最終仕上げと検品・包装だけして貰えれば、すぐ販売できますよ!
★商社が生み出す付加価値
・材料仕入れ~加工~納品まで、商社がトータルコーディネート、一元管理。 ・お客さんの製造コスト削減に貢献。
上記1)仕入れ、販売 と 2)貿易 に加工業務をプラスしたビジネスモデルです。
これも、商社の鉄板ビジネスですね。
少し複雑になってきましたので、図解しておきす。
三国間に渡る、複雑な商売を商社が一括でまとめるビジネスモデルです。
「お客さん」にとっては「商社(日本)」を窓口としてやり取りするだけで良いので、シンプルにビジネスが進みます。
商社は(日本)⇔(中国)⇔(インド)の支社間で連携をとります。
何かトラブルが起こった場合も、同じ会社のメンバーでの協議となる為、スムーズに解決する事ができます。
④物流
新製品いっぱい売りたいから、大量に中間加工品買ったけどウチの工場に置き場所ないわ。。。
日本に中間加工品を輸入したあとに、在庫しておきましょうか?
御社の販売計画に合わせて、必要な量を迅速に輸送します!
★商社が生み出す付加価値
・お客さんの在庫保管コスト、スペースの削減に貢献。 ・日本で一定量を在庫する事で、必要量の変動や世界情勢の影響に対応。
日本の輸入拠点になっている港や空港には、商社が物流倉庫を設けているケースが多々あります。
そこで、在庫機能を持つことで、
在庫切れや世界情勢の影響による輸入遅延等のリスクを回避する事ができます。
⑤市場調査、事業企画、事業投資
うちの会社も大きくなってきたし、売り上げも好調や。
そろそろ海外にも製造・販売拠点を作りたいなぁ。
どの国で需要があるか調査します!
また、候補国での製造~販売までのビジネスモデルをご提案します!
新たな国での新規事業を一緒にチャレンジしましょう!
- どの国への進出が最適か?
- 販売チャンネルはどこと組むか?
- 材料調達、製造拠点、物流拠点は?
- 投資資金調達は?出資するか?
- 現地法人(現地での製造・販売会社)設立。
等、様々な角度から調査を行い、計画を立てて、新規事業を立ち上げます。
こちらも、図解しておきます。仮にアメリカで新規事業を行うとします。
★商社が生み出す付加価値
・新規事業を立ち上げる為の政府関係とのやりとりを引き受ける。 ・お客さんの新会社への出資による資金調達サポート。 ・商品の販売チャンネルを提供する。
上記のように、特定の企業と一緒に新規事業を立ち上げるパターンもありますが、
総合商社や大手商社は、有望な会社への出資、M&Aに力をを入れています。最先端IT企業に投資したり、アフリカのレアアース鉱山に投資したりと各社様々です。
以上の①~⑤が商社のビジネスモデルです。
もし商社になると、上記で説明した右側の「商社」担当者となって、様々な営業・交渉・調整業務を行うってイメージしてください。
少し補足すると、「総合商社」と「専門商社」でビジネス領域が異なります。
総合商社 ①~⑤を幅広い分野で。(食品、繊維、鉄、化学品、インフラ 等々) 専門商社 ①~⑤限定的な分野で。 ※「⑤事業投資」まで活発に行うのは一部の専門商社のみ。
こちらについては、別の記事で詳しく解説したいと思います。
まとめ、商社の今後
『商社』がどんな事をしている会社か、理解頂けたかと思います。結構色々やってるんです(笑)。
しかし少し前から、世間では商社不要論が囁かれています。
一昔前の商社の主軸ビジネスであった、「仕入れ、販売」「貿易」について、
ECサイト等の普及で、商社を介しての商取引のメリットが無くなったり、
世界的にグローバル化が進み、海外と取引する事が当たり前になったり、
その領域では商社の価値が徐々に無くなってきている事が事実です。
そんな中、各社生き残りをかけて、新しいビジネスを模索しています。
そんな風に時流に合わせて、自社のビジネスモデルを変化させていく所が、商社の強みかと思います。
いつまでも変化できない、商社は存在価値が無くなり、淘汰されていく。
そんな時代がすぐそこまで来ていますね。
入社する商社を決める際は、企業研究をしっかりと行う事をおすすめします。
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